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口頭

分子動力学法によるクォーク物質の粘性の研究

秋村 友香; 丸山 敏毅; 初田 哲男*; 吉永 尚孝*; 千葉 敏

no journal, , 

RHICで生成された物質は気体的な物質ではなく粘性がほとんどゼロの完全流体のクォーク物質であるというプレス発表がなされた。系が気体的に振る舞うか、液体的に振る舞うかをみるよい指標がずれ粘性をエントロピー密度で割った比であり、この値が小さい場合、系は液体的に振る舞う。われわれは、分子動力学法を用いてクォーク物質のずれ粘性について調べ、転移温度付近でその比が小さいことを示した。

口頭

未知中性子過剰核種$$^{163-165}$$Euの同定

佐藤 哲也; 長 明彦; 浅井 雅人; 市川 進一; 塚田 和明; 柴田 理尋*; 林 裕晃*; 小島 康明*

no journal, , 

日本原子力研究開発機構タンデムオンライン同位体分離装置を用いて、ウランの陽子誘起核分裂によって生成する中性子過剰未知ランタノイド核種の探索を行った。ウラン標的が装着可能な表面電離型イオン源を新たに開発し、炭化物標的を使用することで、新核種$$^{163-165}$$Euを同定した。さらにそれぞれの核種について半減期を決定した。

口頭

蓄積イオンビームの超低エミッタンス化の限界について

岡本 宏巳*; 百合 庸介

no journal, , 

理想的な散逸力によって超低エミッタンス化され、空間電荷限界に達した荷電粒子ビームは、「クーロン結晶化」することが知られている。本発表では、このクーロン結晶状態(クリスタルビーム)を実現するために必要な諸条件について考察する。実際の実験環境や散逸力を想定した場合、空間電荷限界が近づくにつれて不可避的なビーム加熱が起こり、到達可能なエミッタンスが制限されてしまうことを分子動力学シミュレーションに基づいて示す。運動量分散の影響が無視できない限り、3次元クリスタルビームの生成は現状ではほとんど不可能であると考えられる。

口頭

重・超重中性子過剰核領域における核分障壁の系統的計算

小浦 寛之; 橘 孝博*; 千葉 敏

no journal, , 

講演者のグループが開発を進めている自発核分裂障壁の計算を拡張した。これまでは核分裂エネルギーの液滴エネルギー部分については、ルジャンドル関数展開による、変形度の多項式で表して計算していたが、今回4重数値積分で計算する方法に改良した。これにより大変形計算が可能となり、中性子過剰超重核の核分裂障壁を系統的に計算することが可能となった。今回の計算により、速中性子捕獲過程(r過程)元素合成における中性子誘発核分裂の影響や、$$beta$$崩壊遅発核分裂の影響について、変形度の外挿をすることなく調べ、その結果、$$beta$$崩壊遅発核分裂がr過程元素合成による超重核合成を妨げる効果が大きいことがわかった。

口頭

磁性と超伝導の共存を示すウラン化合物UPd$$_2$$Al$$_3$$の軟X線角度分解光電子分光

藤森 伸一; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 小林 啓介; 藤森 淳; 山上 浩志; 池田 修悟; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; et al.

no journal, , 

SPring-8 BL23SUにおいて、磁性と超伝導の共存を示すUPd$$_2$$Al$$_3$$に対する軟X線放射光角度分解光電子分光実験を行い、バルクU 5f電子状態を反映したバンド構造とフェルミ面の導出を行った。また、U 5f電子が遍歴から局在へと変化すると考えられる特性温度(約70K)の上下での測定を行い、バンド構造の変化を観測した。バンド計算との詳細な比較により、この化合物のU 5f電子状態について議論する。

口頭

UCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$における長周期非整合スピン密度波状態

本多 史憲; 目時 直人; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦*

no journal, , 

UCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$の反強磁性が、長周期縦波スピン密度波状態であることを、中性子散乱実験によって明らかにした。85.7オングストロームという長周期スピン変調構造とc軸方向の電気抵抗に見られたギャップ的な振る舞いは、UCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$における5f電子の遍歴性を強く示唆している。同じ結晶構造を持つ他のUT$$_{2}$$X$$_{2}$$化合物で報告されたより短周期の反強磁性構造は、これまで近接局在5f電子間のフラストレートした反強磁性相互作用に基づくいわゆるANNNIモデルによって説明されてきたが、UCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$の長周期構造はこのモデルでは説明できない。同じような電子状態を示すこれらの化合物で5f電子の性質が大きく変化するのは考えがたい。そのため、今回の結果は一連のUT$$_{2}$$X$$_{2}$$化合物の磁性の発現機構の見直しを迫り、5f電子の遍歴性を取り入れたモデルの必要性を示唆している。

口頭

非共鳴X線散乱によるUCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$のSDW/CDW状態の観測

大隅 寛幸*; 本多 史憲; 目時 直人; 筒井 智嗣*; 石井 賢司; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦*

no journal, , 

中性子散乱実験によってUCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$が長周期スピン密度波(SDW)状態を示すことが明らかになった。SDWは+スピンと-スピンをもつ電子密度の変調であり、電荷密度波(CDW)を伴うと考えられる。そこで、BL46XU/SPring-8においてX線回折実験を行い、101Kでブラッグ反射のまわりに電荷密度波を反映した反射を確認した。UCu$$_{2}$$Si$$_{2}$$におけるSDW/CDW状態について報告する。

口頭

超音速分子線によるRu(0001)表面上の酸素吸着の研究

高橋 真*; 藤本 洋一*; 有賀 哲也*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 盛谷 浩右

no journal, , 

超音速酸素分子線を用いてRu(0001)表面を酸化し、放射光光電子分光法で酸素原子及びRu原子の化学結合状態を分析した。まずRu(0001)表面に酸素ガスを暴露して0.5MLの飽和吸着状態を形成した。その酸化表面に超音速酸素分子線を照射して酸素の吸着特性を調べた。酸素分子線の並進運動エネルギーを0.5eVとした。ノズル温度を300Kと1400Kとして酸素吸着曲線の違いを調べた。300Kの場合には0.58MLまで飽和酸素量が増加した。1400Kの場合にはさらに0.61MLまで飽和酸素量が増加することが見いだされた。これは振動励起した酸素分子の吸着確率が大きいためと解釈された。

口頭

JT-60Uにおけるフェライト鋼導入によるトロイダル磁場リップル低減後の初期実験結果

篠原 孝司; 櫻井 真治; 石川 正男; 小出 芳彦; 仲野 友英; 都筑 和泰; 大山 直幸; 吉田 麻衣子; 浦野 創; 鈴木 優; et al.

no journal, , 

JT-60トカマクでは、定常・高ベータプラズマの研究開発を進めてきた。さらなる性能向上には、(1)壁安定化効果の利用,(2)実効加熱パワーの増大,(3)長時間にわたるRFによる電流分布制御の実現,(4)周辺部閉じ込め改善モード(Hモード)を制限していると考えられる高速イオンの損失による反プラズマ電流方向のプラズマ回転の抑制が重要である。これらの項目を実現する際に高速イオンの閉じ込めが問題(例えば、トロイダル磁場リップルの比較的大きい大体積配位の利用での高速イオンの損失)となり、その改善が重要である。そこでトロイダル磁場リップルを低減することで高速イオンの損失を低減することを目的として強磁性体であるフェライト鋼の設置を行った。本講演では、フェライト鋼導入の概要と初期実験結果を報告する。

口頭

超短パルス高強度レーザーを用いたプロトン発生,1; プリプラズマ依存性

匂坂 明人; 中村 衆; 森 道昭; 大道 博行; 福見 敦*; 小倉 浩一; 織茂 聡; 林 由紀雄; 高井 満美子; 余語 覚文; et al.

no journal, , 

超短パルス高強度レーザーと物質との相互作用により発生する高エネルギーのX線,イオン,電子は、テーブルトップの放射線源として注目されている。特に高エネルギーイオンについては、医療用としての小型加速器への利用が期待されている。本研究では、レーザー励起の高エネルギーイオン発生を目的とし、プロトン発生の実験を行った。原子力機構設置のチタンサファイアレーザー(JLITE-X)を用いて、チタンの薄膜ターゲットに照射した。集光強度は、ビームウエストで$$sim$$3$$times$$10$$^{17}$$W/cm$$^{2}$$であった。プロトン計測と同時にレーザーのプリパルスにより生成されるプリフォームドプラズマを干渉計測により測定した。プリフォームドプラズマサイズに対するプロトン発生の依存性を調べた結果、プリフォームドプラズマを抑制することでプロトンの発生量が大きく変化することがわかった。

口頭

重イオンビームの冷却シミュレーション

池上 将弘*; 岡本 宏巳*; 百合 庸介; 想田 光*; 田辺 幹夫*; 野田 章*

no journal, , 

蓄積リング中を周回するビームをレーザー冷却のような強力な冷却力で冷却すると、クリスタルビームと呼ばれる極低エミッタンスビームが生成できる。このような極限状態では、リングの運動量分散の存在が冷却によって到達可能なエミッタンスを制限する。ビームを結晶化するためには、運動量分散による加熱の影響を補うためにテーパー冷却と呼ばれる特殊な冷却力が必要となる。本発表では、運動量分散の影響を回避することができる電場,磁場を用いた蓄積リングにおいて、テーパー冷却力を用いなくとも安定な3次元クリスタルビームが生成可能であることを、分子動力学シミュレーションに基づいて示す。

口頭

反射高速陽電子回折によるSi(111)-$$sqrt{21}timessqrt{21}$$-Ag表面構造解析,2

深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦

no journal, , 

Si(111)-$$sqrt{21}timessqrt{21}$$-Ag表面は、低温に保たれたSi(111)-$$sqrt{3}timessqrt{3}$$-Ag表面上に微量のAg原子を追加蒸着することにより作成される。この$$sqrt{21}timessqrt{21}$$超構造は、他の貴金属やアルカリ金属元素を吸着させた場合にも共通して見られる構造であり、電気伝導度の急激な増大など非常に興味深い物性を示す。これまで走査型トンネル顕微鏡,X線回折等、さまざまな表面構造解析手法を用いて構造の解明が試みられているが、その構造は報告によってまちまちであり、統一的な見解に至っていない。本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、Si(111)-$$sqrt{21}timessqrt{21}$$-Ag超構造の決定を行った。特に、蒸着量が問題となるため、原子数も解析のパラメーターに加え、動力学回折理論を用いて詳細に解析を行った。ロッキング曲線の測定と解析から、3原子モデルが実験結果をよく再現できることがわかった。続いて、RHEPDパターンの解析を行った結果、$$sqrt{21}$$-Ag超構造に特有な超格子スポット強度に注目すると、3原子モデルにおいて、面内でAg原子がジグザグ状に配列した場合が実験値との一致が良いことがわかった。以上の結果から、新たな構造モデルである3原子モデルを提唱することができた。

口頭

超高圧下の水の第一原理分子動力学シミュレーション

池田 隆司

no journal, , 

隙間の多い疎な構造を持つ水は、加圧により密な構造へと変化することが期待される。高温高圧下の高密度水に関しては、2.0g/cm$$^{3}$$以上の高密度領域での第一原理分子動力学シミュレーションの結果が既に報告されており、超イオン伝導相が出現すると予測されている。一方、放射光を用いた高密度水の回折実験が片山らにより開始されている。これらを背景として、本研究では、常温常圧状態から加圧により超イオン伝導相へと至る過程の詳細を第一原理分子動力学シミュレーションにより調べた結果を報告する。

口頭

中性子過剰核$$^{250}_{96}$$Cm$$_{154}$$のインビーム$$gamma$$線測定

石井 哲朗; 重松 宗一郎; 牧井 宏之; 浅井 雅人; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 松田 誠; 牧嶋 章泰*; 静間 俊行; 金子 順一*; et al.

no journal, , 

$$^{248}$$Cm標的と162MeVの$$^{18}$$Oビームによる2中性子移行反応を利用したインビーム$$gamma$$線分光により、中性子過剰の超ウラン元素$$^{250}$$Cmの基底状態バンドをスピン12まで確立した。$$^{250}$$Cmの脱励起$$gamma$$線は、Si $$Delta E$$-$$E$$検出器を用いて$$^{16}$$O粒子の運動エネルギーを選択することにより同定した。$$^{250}$$Cm$$_{154}$$の慣性能率は、$$^{248}$$Cm$$_{152}$$の慣性能率よりもかなり小さいことが明らかになった。この結果は、Cmにおいて$$N=152$$が変形閉殻構造を有することを支持している。本研究は、$$N=152$$を超える原子核での初めてのインビーム$$gamma$$線測定である。

口頭

陽電子消滅法によるSi中不純物ゲッタリング挙動の研究

赤羽 隆史*; 藤浪 真紀*; 渡辺 和也*; 小熊 幸一*; 松川 和人*; 原田 博文*; 前川 雅樹; 河裾 厚男

no journal, , 

空孔型格子欠陥に敏感なプローブである陽電子を用いて、Si中の空孔クラスターの遷移金属ゲッタリング挙動を観測した。Cz-Si(100)にSiイオンを3MeV,1E+14/cm$$^{2}$$注入し、次にウエハの裏面からCuイオンを200keV,1E+14/cm$$^{2}$$注入した。その後、窒素雰囲気中で100$$^{circ}$$Cおきに1時間焼鈍した。単色陽電子ビームを用いて、消滅$$gamma$$線のドップラー拡がりの陽電子エネルギー依存性と、特定の陽電子エネルギーでの同時計数ドップラー拡がり(CDB)を測定した。また、SIMSによりCuの分布を測定した。Siイオンを注入した側では、500$$^{circ}$$CまではCuイオンを注入した場合としない場合の差はなかったが、600$$^{circ}$$Cで変化が現れた。600$$^{circ}$$C焼鈍試料では、Siイオンを注入した領域で空孔-Cu複合体の形成が認められた。SIMS測定から、注入したCuの85%が、Siイオン注入領域にゲッタリングされていることが示された。700$$^{circ}$$C焼鈍による変化は、Cu-空孔複合体が解離し、空孔クラスターは、より安定な酸素と結合したことによるものと解釈される。

口頭

大面積イオンビームスパッタ装置を用いた中性子スーパーミラーの開発

丸山 龍治; 山崎 大; 海老澤 徹*; 曽山 和彦

no journal, , 

現在建設中のJ-PARC等の中性子ビーム利用施設では、中性子源から発生する中性子ビームを効率的に実験装置まで輸送し、さらに必要な位置でビームを分岐及び収束させるための高性能中性子スーパーミラーの開発が必須である。中性子スーパーミラーとは、異なる二種類の金属膜を基板上に交互に少しずつ膜厚を変えながら積層したものであり、その性能はスーパーミラーとニッケルミラーの臨界角での運動量遷移の比($$m=Q_{mathrm{SM}}/Q_{mathrm{Ni}}$$)と、そこでの中性子反射率で評価される。これまで、原子力機構では世界に先駆けて、結晶粒が小さく密度の高い良質な膜の積層を可能にするイオンビームスパッタ法による成膜技術開発が進められてきた。さらに、J-PARCにおける大強度パルス中性子源等で用いられる実機の製造を踏まえ、500mm$$phi$$の成膜可能面積を持つ世界最大のスーパーミラー用イオンビームスパッタ装置を導入し、これを用いた中性子スーパーミラーの開発を行っている。今回、実際の大強度パルス中性子源で必要となる$$m=3$$及び4の中性子スーパーミラーを成膜し、その中性子反射率測定を行ったところ、臨界角における反射率が約0.80及び0.66という結果が得られるとともに、500mm$$phi$$の成膜可能面積に対してほぼ一様な性能を確認した。

口頭

メタンハイドレート形成過程の粉末中性子回折その場観察

星川 晃範; 石井 慶信

no journal, , 

メタンハイドレート(MH)の形成メカニズムを明らかにするために、D$$_2$$O氷からMHへの形成過程をメタンガス(CH$$_4$$)圧下で粉末中性子回折法によるその場観察を行い、MH形成の温度・圧力依存性を調べた。回折パターンをリートベルト解析することにより、MHの生成量を正確に見積もり、粉末氷の粒径(約150$$mu$$m)から氷表面にできているMH薄膜の厚さを求めることができた。温度240Kにおいて、メタンガス圧を2MPaまで徐々に増加させ、約3$$mu$$mのMH薄膜が形成された後、これより高い圧力を加えてもMHの形成速度に変化は見られなかった。次に圧力を6-7MPaまで増加させ、試料温度を260Kにして観測した結果、約5$$mu$$mの薄膜が形成され、さらに270Kにすることで約8$$mu$$mの厚さまで成長した。内部の氷が水になっている275Kまで温度を上昇させることでMH形成は急激に進み、約3-4時間でほぼすべての粉末氷がMHになった。これらのことから、氷からMHを生成する場合、メタンガスの圧力はMH形成に必要な圧力を越えていることが重要であり、それ以上圧力を高くしても形成速度に変化はないことがわかった。一方で、MH薄膜で覆われた内部の氷を溶かすことでMHの形成速度が加速するのは、内側の氷が水になることで体積が減少し、その結果MH薄膜が壊れ、内部の水へメタンガスが供給されやすくなったためであると考えられる。以上の成果が得られたので報告を行う。

口頭

炉心級トカマクプラズマにおける斜め伝搬ECEスペクトルの評価と電子温度測定への適用

佐藤 正泰; 諌山 明彦

no journal, , 

磁場閉じ込め装置の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果を明らかにするために数値計算を行っている。炉心級プラズマにおけるECEの電子温度測定においては、磁場に直交な視線の場合、相対論的効果の影響を考慮する必要があることはよく知られている。視線を直交から斜めにした場合、ドップラー効果が大きくなるが、相対論的効果が少なくなることが期待される。それぞれの影響を評価するために、ECEの放射輝度の数値計算を行っている。まず、球対称相対論的Maxwell分布に対する斜め伝搬ECEのEmissivityの式を導出した。この式は、視線が磁場に直交する場合のTrubnikovの式の拡張にあたる。この式をもとに放射輸送の式を解いて、斜め伝搬のECEスペクトルを評価した。伝搬方向を磁場に直交な視線から斜めに変えて行くと、高い周波数領域の放射が少なくなる。スペクトルの2倍高調波ECEから導出した電子温度分布について、伝搬方向角度を直交の90$$^{circ}$$から60$$^{circ}$$程度に変えると、Emissivityのピークが影響を与える領域では、相対論的効果の影響が薄れ、電子温度の真値に近づく。伝搬方向を変えることで、相対論的効果の影響が少なくなる領域があることを明らかにした。

口頭

放射光によるneV分光法の開発,1; 放射光メスバウアー分光への応用

三井 隆也; 瀬戸 誠; 増田 亮*; 小林 康浩*; 北尾 真司*; 平尾 直久*

no journal, , 

$$^{57}$$Feを富化した高品質の反強磁性体$$^{57}$$FeBO$$_{3}$$単結晶をネール温度直前で純核共鳴ブラッグ反射させると、放射光の優れたビーム特性(狭発散角,微小サイズ,偏光性,パルス性)を維持したまま、neV程度のバンド幅を持つシングルラインの超単色X線を高出力で取り出すことが可能になる。これをプローブ光に利用すれば、新奇な放射光neV分光法の研究が可能となる。このような物性研究法の一例として、われわれは、高品質$$^{57}$$FeBO$$_{3}$$単結晶を核モノクロメーター,核アナライザーに利用したX線光学系によるエネルギー領域の放射光メスバウアー分光法を提案し、微小ビームを利用した局所メスバウアー分析実験を初めて実施した。本発表では、核アナライザー結晶を用いた放射光メスバウアー分光法について詳述し、アモルファス試料の局所的な磁気異方性やダイアモンドアンビルセルによる鉄化合物の圧力誘起磁気相転移などの幾つかの測定例の紹介を通して、各測定法の特徴,利点とその相違点を明らかにする。

口頭

$$mu$$SRから眺めたPuCoGa$$_5$$の準粒子励起

大石 一城; Heffner, R. H.; 髭本 亘; 伊藤 孝; Morris, G. D.*; Bauer, E. D.*; Morales, L. A.*; Sarrao, J. L.*; Fluss, M. J.*; MacLaughlin, D. E.*; et al.

no journal, , 

PuCoGa$$_5$$はPu化合物で初めて超伝導を示す物質として注目を集めている。この物質の超伝導転移温度は$$T_c$$=18.5Kと既存で同様のHoCoGa$$_5$$型結晶構造を持つCe-115系超伝導体に比べ、約1桁大きい値を示すことが特徴として挙げられる。本系の超伝導発現機構に関する研究は、理論及び実験の双方から行われており、理論からはスピン揺らぎ起源の超伝導であることが、また最近のNMR及び$$mu$$SRの結果から本系は$$d$$波超伝導体であることが示唆されている。また、$$^{239}$$PuCoGa$$_{5}$$では$$^{239}$$Puの$$alpha$$崩壊による自己照射効果のために-0.21K/月の割合で$$T_c$$が減少することが知られている。したがって、本超伝導体では自己照射によるaging効果を考慮する必要がある。われわれはこの超伝導体において、自己照射効果に対する超伝導秩序変数の知見を得るため、前回の$$mu$$SR実験で使用した単結晶試料(作成後25日の試料:試料1)と同じもの(作成後400日の試料:試料2)を用いて$$mu$$SR実験を行い、磁場侵入長の温度依存性及び磁場依存性を測定した。その結果、試料2では$$T_c$$が減少し、これまでに磁化率測定から報告されている結果と良い一致を示した。また興味深いことに、経時変化を示している試料2においても試料1と同様に、磁場侵入長が温度に線形な振る舞いを示すことが明らかとなった。このことは、自己照射効果により$$T_c$$には強い影響が現れているにもかかわらず、依然として$$d$$波超伝導体の特徴がみられることを示唆している。

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